【新潟・糸魚川】フォッサマグナミュージアムでヒスイを見学!鉱物好きにおすすめの博物館

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千葉市生涯学習センターの講演会でヒスイに目覚めた私。

ついに、千葉から新幹線に乗って、ヒスイの故郷、糸魚川市に行ってきました。

ヒスイなどの鉱石をガッツリ見学するなら、糸魚川駅からバスで10分ほどのところにある「フォッサマグナミュージアム」で見学するのがおすすめです。鉱石好きならたまらない、さまざまな種類の鉱石、糸魚川周辺で発掘されたたくさんの化石も、ここフォッサマグナミュージアムで一度に見学することができます。                          

目次

フォッサマグナミュージアムの外にあるヒスイ

糸魚川駅からバスで10分、小高い丘の上に立つ博物館「フォッサマグナミュージアム」。

フォッサマグナミュージアムは、糸魚川市の石「ヒスイ」をはじめ、フォッサマグナについての展示、さまざまな鉱石と化石の展示、展示内容が充実していて、何時間でも滞在できそうな、ボリューム満点の博物館です。

有料ですが、フォッサマグナミュージアムのとなりにで、化石発掘体験もできます。

フォッサマグナミュージアム
入り口はこちらです

フォッサマグナミュージアムのとなりには、大きなヒスイが展示してあります。

糸魚川ジオパークが誇る2つの宝物
盆栽とヒスイ

盆栽のとなりには、糸魚川市のヒスイ峡から運びこまれたヒスイです。

よく見ると、ボコボコと穴をあけられたようなあとが見えます。これは、心無い人たちがヒスイに穴を開けた証拠です。「小滝川ヒスイ峡」や「青海川ヒスイ峡」などの文化財指定地や国の天然記念物エリアでは、ヒスイの採取が法律で厳しく禁止されています。この傷ついたヒスイを保護するため、フォッサマグナミュージアムに持ち込まれました。

ゴロゴロと置かれています

全国に広がった糸魚川産のヒスイ

日本各地の発掘調査でヒスイの原石、加工された玉が見つかった場所は、広く北海道から沖縄県まで全国の遺跡でヒスイが見つかっていることがわかっています。

ヒスイは、古くは縄文時代前期から使用されており、ヒスイが見つかる遺跡の地域は、時代ごとに特徴があります。縄文時代は、関東や東北地方の遺跡、弥生時代には出雲国(島根県)や吉備国(岡山県周辺)、九州北部の遺跡、古墳時代には、近畿を中心とした西日本や関東の遺跡です。

ヒスイが見つかった遺跡がある地域は、その時代で大きな影響力を持つ地域だったと考えられます。

しかし、糸魚川の古墳時代中頃以降の遺跡からは、ヒスイ加工の跡は見つからなくなります。さらに、奈良時代に建てられた奈良・東大寺三月堂(法華堂)にある不空羂索観音立像で使用されている勾玉を最後に歴史からヒスイが消えてしまいます。糸魚川でヒスイが産出されることも忘れ去られてしまいました。

糸魚川産のヒスイ再発見

令和の現在、糸魚川産のヒスイは全国に知られるほど有名になっていますが、約100年前の昭和初期、国内の遺跡で発見されるヒスイは外国産のもので、日本には産地がないと考えられていました。  

糸魚川にヒスイの産地があると知られるきっかけになったのは、糸魚川の文人・相馬御風でした。

御風は、姫川上流にヒスイの産地があると考えていました。その話を聞いた御風の知人が、小滝地区に住む人に探してもらったところ、小滝川(姫川の支流)に注ぐ土倉沢の滝つぼで緑色のきていな石を見つけます。その石を岩石学者が詳しく調べた結果、ヒスイであることが科学的に確認されました。

そして現地調査で、明星山の絶壁の真下にヒスイがあることがわかり、1939年(昭和14年)に小滝川がヒスイの産地であることが発表されました。

ヒスイの再発見に貢献した「相馬御風と伊藤栄蔵」
フォッサマグナミュージアム内に展示されている巨大なヒスイ。こちらも心無い人たちから救出されたヒスイです。
ツルツルしていて透明感あります
ヒスイの原石の表面は、みなさまが知る緑色ではなく、ザラザラとした白色になっています

産地は天然記念物

上記の大きなヒスイは、心無い人たちから守られたヒスイの原石です。

小滝川がヒスイの産地だと発表された当時、第二次世界大戦が起こった戦争の時代でした。貴重なヒスイが保護されることなく、その多くが掘り出されてしまいます。

戦争が終わり、ヒスイを保護するため、小滝川がヒスイ峡は国の天然記念物に指定されました。ヒスイの発見から約17年後の1956年(昭和30年)のことでした。その間、青海川でも1955年(昭和32年)にヒスイが発見され、1957年(昭和32年)に国の天然記念物に指定されました。

フォッサマグナミュージアムに展示されているヒスイ

プロローグ・ヒスイ峡

フォッサマグナミュージアムではヒスイの保護もしています
割られているヒスイを守る
ヒスイ峡が再現されています
さまざまな石がゴロゴロとあります、石の町・糸魚川です
ヒスイ探せますかね?

魅惑のヒスイ

第一展示室には、糸魚川で発見された美しいヒスイの原石が展示してあります。

ヒスイと聞いて、すぐ思い付く色といえば緑色だと思います。

ヒスイには、白、灰、黒、薄紫、青、黄、オレンジ、赤などさまざまな色があります。

白色のヒスイは、色の原因となるもの(鉄、チタン、クロム、炭素など)がほとんどない翡翠輝石からなるものです。この翡翠輝石に、鉄、チタンなどが含まれると、緑、薄紫、青などの色に変化します。

美しいですよね!

さまざまなヒスイ

独立したショーケースには、寄贈されたヒスイなどが展示されています。

緑色ヒスイ「翠の足」
糸魚川駅北大火の前に糸魚川市に寄贈した非常に良質の翡翠です
濃緑色のヒスイ

黒っぽく見えますが、強い光を当てると、青みがかった濃緑色のヒスイであることがわかります。指輪のように小さな石の場合は、このヒスイのような濃さの色のものを使うとほどよい濃さに見えます。

これだけでも美しいですよね
透明感がわかります
緑色ヒスイ「翠の雫」2003年9月13日小滝川で発見され、発見者らによって糸魚川市に寄贈され話題になりました
透明度の高い美しいヒスイで、京都、大阪のほか、東京の国立科学博物館でも展示されたことがあります
淡緑色のヒスイ
非情に透明度が高い淡緑色のヒスイで、ロウのような樹脂光沢をしています。クラックも少なくクラックも少なく、宝石質でありながら加工されず、発見時の姿を保持している稀有の存在のヒスイです

ヒスイの科学1

ヒスイの科学

翡翠を作るもの

翡翠の大部分は、翡翠輝石(ジェイダイト)という鉱物からできています。翡翠輝石には、アトリウム、アルミニウム、ケイ素、酸素という元素からできています。緑色や青色の翡翠には、翡翠輝石のほかにオンファス輝石という鉱物があり、オンファス輝石には、ナトリウム、アルミニウム、ケイ素、酸素のほかに、マグネシウム、カルシウム、鉄などの元素が入っています。

ヒスイの色

翡翠の重さ

翡翠は白い石としては、非常に重たい石です。

一辺が1㎝の立方体(体積は1㎥)で考えてみると、1㎥の翡翠輝石の重さは約3.2gです。増長石という鉱物も翡翠輝石と同じようにナトリウム、アルミニウム、ケイ素、酸素からできている鉱物ですが、1㎥の増長石は2.6gしかありません。翡翠輝石が増長石よりも重たいのは、中にある元素がよりぎっしりと詰まっているからです。

翡翠のカタサ

翡翠はとてもかたい(堅い)石です。

海岸で翡翠が丸くないのは、かたいことの証拠です。ダイヤモンドは最もかたい(硬い)鉱物です。では、ダイヤモンドと翡翠をハンマーで叩いたらどうなるでしょう。実は壊れやすいのはダイヤモンドです。硬度はダイヤモンドが上ですが、壊れにくさは翡翠のほうが上なのです。硬さは『傷つきにくさ・ハードネス』堅さは『丈夫さ、タフネス』と言い換えることもできます。

日本の翡翠産地

日本では北海道から九州まで約10ヶ所から翡翠が発見されています。

中には発見後、多くの人が採集したり、河川や道路の工事がおこなわれたりしてほとんど翡翠がなくなってしまった産地もあります。静岡県浜松市引佐の翡翠産地の大部分は新東名高速道路の工事で消滅しました。糸魚川の翡翠は7000年も前に利用が始まったものですが、いまだにきれいな翡翠が見つかるということは驚くべきことです。糸魚川以外の日本の翡翠産地は、どれも1960年以降に新たに発見されたものです。

  • 北海道旭川市、幌加内町
  • 糸魚川市、富山県朝日町、長野県小谷村、同白馬町
  • 群馬県下仁田町茂垣
  • 埼玉県寄居町西ノ入
  • 静岡県浜松市浜名区引佐町西黒田
  • 兵庫県養父市大屋町加保坂
  • 鳥取県若桜町角谷
  • 岡山県新見市大佐山
  • 高知県高知市、日高村、いの町
  • 熊本県八代市泉町
  • 長崎市三重海岸、同琴海戸根

ヒスイの科学2

翡翠の誕生

翡翠の生まれ故郷、つまり翡翠ができた所は『沈み込み帯』と呼ばれている地球内部の場所です。

沈み込み帯では、リソスフェアと呼ばれる岩盤が海溝に沈み込んでいます。

翡翠ができるためには、高い圧力とあまり高くない温度であることが必要ですが、地球の中でそのような条件になっているのは沈み込み帯だけです。沈み込み帯の地下がほかの場所よりも温度が低いのは、冷たいリソスフェアが地下に入ってくるからなのです。

ヒスイ以外の石

コスモクロア輝石:コスモクロア輝石はヒスイ輝石のアルミニウムをクロムに置き換えた組成を持つ、鮮緑色の鉱物です。最初に隕鉄から発見されたのでコスモという言葉がついています。

コスモクロア輝石
特有の美しい結晶模様が美しいですね

コランダム(銅玉):糸魚川のコランダムは日本最大の大きさをもつものですが、小野健博士が1990年代初頭に明らかにするまで、長い間、ヒスイだと思われていました。

コランダム(銅玉)

奴奈川石(ぬなかわせき):1975年に新潟大学の研究者によって報告されましたが、新鉱物としての申請がされず、後にアメリカ人が正式に登録をしました。新潟県で発見された2番目の新鉱物です。

奴奈川石
黄色ところがポイントでしょうか?

糸魚川石:1999年に糸魚川のヒスイ輝石岩から発見された新鉱物で、ローソン石のストロンチウム置換体です。日本で発見された肉眼的な大きさを持ち、美しい新鉱物のひとつです。

糸魚川石
青ぽい石です
新鉱物ってまだまだ発見されるんですね
フォッサマグナミュージアムの入り口にも糸魚川石あります

おまけ:日本産ラピスラズリ

私がフォッサマグナミュージアムを訪れたとき、日本産ラピスラズリが展示されていました。

日本産のラピスラズリは、2026年に新潟県糸魚川市で国内初確認された極めて希少な鉱物です。これまで宝石品質の原石はアフガニスタン産等に限られていましたが、同市の姫川支流で採取された石がラピスラズリであることが国立科学博物館などの調査で判明しました。

糸魚川でラピスラズリ発見!
糸魚川産ラピスラズリ
すごいですね、見入ってしまいます
なかなかな大きさでビックリしました

フォッサマグナミュージアムは、ヒスイをはじめとする鉱物の美しさだけでなく、糸魚川の大地が生み出した壮大な地球の歴史や、日本各地へ広がったヒスイ文化まで学べる、とても魅力的な博物館でした。

千葉市の講演会でヒスイに興味を持ち、「いつか本物を見てみたい」と思っていましたが、実際に糸魚川を訪れてみると、写真では伝わらない透明感や重厚感に何度も見入ってしまいました。

縄文時代の人々が大切にしたヒスイが、約7,000年の時を超えて今も糸魚川で守られ、多くの人を魅了し続けていることに感動します。

ヒスイや鉱物に興味がある方はもちろん、縄文時代や考古学が好きな方にも、ぜひ一度訪れていただきたい博物館です。糸魚川を訪れる際は、フォッサマグナミュージアムで「ヒスイの故郷」の魅力をじっくり体感してみてください。

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